イベントレポート:青空学「気候変動とエネルギー」
北九州市環境ミュージアムの館長である松岡俊和氏が北九州市の環境政策を現代の課題と絡めて語るシリーズ講座です。
松岡館長にとっては、2回目となるこの青空学の講座。今回のテーマは「エネルギーと気候変動」でした。
さてさて、どんなお話だったのでしょうか?
前半は日本における地球環境問題とは何かという点、後半はエネルギー問題を身近な問題に引きつけて、参加者に当事者意識を芽生えさせるようなそんなお話をしていただきました。
地球環境問題と聞くと、なんとなくイメージがあるものの、「日本ではいつ頃から地球環境問題が語られるようになったのでしょうか?」とか、「日本では地球環境問題とはこういう問題であると定義されていますが、どういった問題かわかりますか?」などと質問を投げかけられると、意外とわからないものですね。
ということで、前半では日本の環境問題の変遷と、日本政府が定義をする地球環境問題について教えていただきました。
まず日本の環境問題ですが、日本で地球環境問題がクローズアップされてきたのは1990年だそうです。
日本における環境問題は1960年代の公害が発端にはなっているのですが、その後、都市公害、廃棄物処理などと発展し地球環境問題へと発展させてきたのが日本の地球環境問題だったようです。
ちょっと調べてみたら、確かに日本に国立環境研究所ができたのが1990年。
しかも、1974年に発足した国立公害研究所が全面的に改組されて出来上がったのが国立環境研究所だったようです。
さて、二つ目の問い「日本で地球環境問題と定義されている問題にはどういうものがあるのか?」という問いですが、これ、意外と知っているようで、パッとは答えられないものですね。
答えは、「大気汚染・酸性雨」「水質汚染・土壌汚染」「オゾン層破壊」「地球温暖化」「生物多様性の減退」「森林減少」とのことでした。
公害問題は日本では過去のものと考えられがちですが、実は、現在の地球環境問題として定義されている事項に密接に関わっているということをお話いただきました。
さて、後半のエネルギー問題について、松岡館長は「みんな節電とか言ってるけど、実はそれがどれだけインパクトのあることなのか、わからないままに実行している」、「市民は自分の家や会社のエネルギーがどこから、どれくらい供給されているのか知らない」と市民がもっとエネルギーに対する意識を高める必要性があるとおしゃっておりました。
最後は地域電力のお話しをしていただき、地域電力は市民の協力を得て、いかに利用するべきかを考え、利益が出たのであればその利益を地域に還元するのが地域電力のあるべき姿であると教えていただきました。
オーディエンスに質問が投げかけられ、少人数制のゼミのようなかたちで、聞いているだけでも引き込まれて、勉強になる内容でした。
松岡館長の青空学は今後も続きます。
今後は、オフラインとオンラインの同時開催を予定しております。
みなさま奮ってご参加ください。